副栄養素を学ぼう!その2、ミネラル
2016/01/24
ミネラルは健康な体だけでなく、健康で美しい肌のためにも欠かせない重要な栄養素です。
ミネラルとは岩や土に含まれる無機質成分のことで、具体的には鉄やカルシウム、マグネシウムなどのことです。
よくサプリなんかでもありますよね。
ミネラルは体の組織を構成したり、維持してくれたりしています。
体調を整える働きもあるので、しっかりと必要な分、摂取したい栄養素といえます。
ちなみに必要量は少ないです。
ただ人間の体の中で作り出せないので、食品から摂取しないといけません。
昔は米を主食として、魚介類や海藻類などを多く食べていたので、ミネラル分も十分摂れていました。
しかし、現代の日本人の食生活は欧米化が進み、ミネラルをなかなか必要量摂取できていません。
必須ミネラルを学ぼう
ミネラルには、人間の体の成長・維持に欠かせない【必須ミネラル】が16種類あります。
そしてその必須ミネラルは、【主要ミネラル】と【微量ミネラル】に分けられます。
~主要ミネラル~
・ カルシウム
・ リン
・ カリウム
・ マグネシウム
・ 塩素
・ ナトリウム
~微量ミネラル~
・ 鉄
・ 亜鉛
・
・ マンガン
・ クロム
・ ヨウ素
・ コバルト
・ セレン
・ モリブデン
・ 硫黄
これらの16種類の必須ミネラルの中で、厚生労働省が「1日にこれくらい摂取してくださいね~」と摂取基準を決めているのが、イオウ・塩素・コバルトを除く13種類です。
今回は、この13種類の必須ミネラルについて詳しく学んでいきましょう。
カルシウムとは
カルシウムは、そのほとんどが骨や歯の形成に使われています。
その残りはホルモンの分泌、心筋の収縮、神経の安定、アレルギーの抑制、血液の凝固などに使われます。
カルシウムが不足すると、骨や歯が弱くなってしまったり、神経過敏になったりします。
ビタミンC・ビタミンDが不足するとカルシウムの吸収が悪くなるので、カルシウムと合わせて一緒に摂取しておきたいですね。
加齢によりカルシウムは減っていくので、骨粗しょう症になりやすくなります。
女性の場合、出産や授乳などでカルシウム不足になりがちです。
ですので、高齢の方や妊婦さん、授乳中の女性は特に意識してカルシウムを摂取するようにしましょう。
カルシウムが多く含まれている食品
牛乳、ヨーグルト、チーズ、小魚、大豆製品、海藻類、ゴマ、緑黄色野菜
リンとは
歯や骨の形成と、筋肉の収縮を助けています。
疲労の回復にも一役買っています。
また、エネルギーの代謝も、カルシウムとともに行っています。
リンの摂取のし過ぎはカルシウム欠乏を招くので、摂取のし過ぎには要注意です。
リンが多く含まれている食品
卵(卵黄)、牛乳、チーズ、ココア、大豆、小麦胚芽、煮干し、鰹節、凍り豆腐
カリウムとは
利尿作用があり、神経や新機能を調節したり、細胞内液の浸透圧を調整したりしています。
血圧を正常に保つ筋肉の収縮も調節しています。
カリウムが足りなくなると、味覚が悪くなったり腸閉塞、反射機能の低下を招きます。
塩分を良く摂取している人や、むくみが気になる人は、カリウムを意識して摂取したいですね。
カリウムが多く含まれている食品
アボカド、バナナ、パセリ、ホウレンソウ、海藻類、アーモンド、ピーナッツ、干しぶどう
マグネシウムとは
マグネシウムは骨格の形成を促し、酵素の働きをサポートしています。
精神を安定させる作用もあり、肌にも体にも活力を与えてくれます。
ストレスで欠乏しやすいので、ストレス過多の方は要注意。
マグネシウムが足りないとカルシウムが定着しづらくなり、骨や歯が弱ってしまいます。
また、ビタミンを吸収するためには必要不可欠な栄養素なので、不足しないよう摂取しておきたいですね。
マグネシウムが多く含まれている食品
アーモンド、大豆、豆腐、小麦麦芽、玄米、アーモンド、きなこ、ピーナッツ、海藻類、そば
クロム(クローム)とは
クロムは糖や脂質・コレステロールの代謝に関わっています。
そのため、不足するとコレステロール値があがり、糖尿病や高血圧、動脈硬化、心臓病などのリスクが高まります。
ただ、野菜や肉や魚など多くの食品に含まれているため、不足する心配はまずありません。
クロムが多く含まれている食品
卵、チーズ、魚介類、肉類、バター、リンゴ、麺類、玄米、ナッツ類
ナトリウムとは
ナトリウムは血液の浸透圧を調整したり、PH(ペーハー)を正常に保ちます。
神経や筋肉の興奮を弱める働きもあります。
不足すると、食欲が落ちたりダルくなったり、精神不安定になる、胃液が減少するなどします。
だからといって摂りすぎると、脳卒中や高血圧などの生活習慣病の原因になるので注意が必要です。
ナトリウムが多く含まれている食品
醤油、食塩、みそ、塩辛
鉄とは
鉄は、ヘモグロビンの形成を担っています(ヘモグロビン:全身に酸素を送ってくれる血液内にある細胞)。
それだけでなく、酵素を活性化してくれています。
不足すると、貧血を起こしたり肌の血色が悪くなったりします。
鉄は特に生理のある女性には不足しがちです。
意識して摂取するよう心掛けたいですね。
鉄が多く含まれている食品
レバー、赤身の魚、赤身の肉、小松菜、大豆、キクラゲ、ぬ干し、抹茶、番茶
亜鉛とは
亜鉛は、細胞の新陳代謝に関わっています。
そのため、肌のターンオーバーを促進してくれます。
美肌のためにはぜひ摂取しておきたい栄養素ですね。
他にもインシュリンの分泌を促したり、肝機能を強化してくれるので解毒作用が促進されます。
不足すると味覚障害や、皮膚・骨格の異常などが引き起こされる場合があります。
育毛にも効果があるといわれています。
亜鉛が多く含まれている食品
牡蠣、レバー、イワシ、ウナギ、ピーナッツ、アーモンド、ゴマ、クルミ、大豆、肉類
銅とは
銅は、赤血球や骨・脳・神経細胞組織を生成しています。
骨髄では、ヘモグロビンが作られる際に鉄の働きをサポートしています。
不足すると貧血や骨格の形成不良を引き起こす場合があります。
銅が多く含まれている食品
レバー、牡蛎、ココア、枝豆、アーモンド、クルミ、ピーナッツ、バター、ソバ
マンガンの働きとは
マンガンは、糖や脂質・尿素の代謝をサポートしています。
また、ビタミンの働きもサポートしていて、骨の形成も手助けしています。
不足すると骨が十分発育しなくなりますが、マンガンは数多くの食品に含まれているので、不足することはまずありません。
マンガンが多く含まれている食品
穀類、豆類、ナッツ類、小麦麦芽
セレン(セレニウム)とは
セレンには、抗酸化作用や抗炎症作用、抗がん作用があります。
肌も含めた細胞の老化を防いでくれるので、美肌のためには重要な栄養素です。
不足すると、老化や更年期障害、肝機能障害などが引き起こされる場合があります。
体内の有害なミネラルを排出する働きもあります。
セレンが多く含まれている食品
イワシ、ワカサギ、ニシン、牡蛎、エビ、卵、リンゴ
モリブデンとは
モリブデンは、糖や脂質の代謝をサポートしています。
不足すると成長障害を起こしますが、摂取しすぎても同様の障害を引き起こします。
まだ、どんな働きをするかは詳しく分かっていません。
普通の食生活をしていれば、不足することはないとされています。
モリブデンが多く含まれている食品
卵、レバー、大豆、豆腐、カリフラワー、ホウレンソウ、ニンニク、グリーンピース
ヨウ素の働きとは
ヨウ素は、甲状腺ホルモンの成分になっており、糖質やエネルギーを生みだして新陳代謝を促進しています。
摂取しすぎると、甲状腺異常になります。
不足すると、毛が抜けたり皮膚に障害が出たり、肥満や疲労感などの症状が出るとされています。
ヨウ素が多く含まれている食品
海藻類、牡蠣、サケ、卵、パイナップル
ミネラルには有害なものもある?!
ミネラルには、人間の体によいものと、悪いものがあります。
~人体に有害なミネラル~
・ 鉛
・ ヒ素
・ 水銀
・ カドミウム
・ アルミニウム
・ ベリリウム
これらが体内に大量に貯まると、健康障害が引き起こされてしまいます。
先ほど紹介した必須ミネラルなどの人体にいい働きをするミネラルを必要な分しっかりと摂取することで、有害なミネラルが体の中に貯まらないようにすることができます。
必要な分のミネラルが摂取されていれば、有害なミネラルは不要ということで体の外へ排出されるからです。
ミネラルは体内に貯めておけないものも多いので、できるだけ毎日の食事で摂取したい栄養素です。
昔ながらの和食の生活をしていれば、海藻類や魚介類、米類などをよく食べるので、必須ミネラルを摂取しやすいです。
塩分に気を付けつつ、和食中心の食生活にしてみるのがいいですね。