副栄養素を学ぼう!その3、食物繊維
美肌を作るのは健康な身体。そして、その身体を造るのは、毎日の食事!
今回は、副栄養素の中の1つ、食物繊維について学んでいきたいと思います。
食物繊維って?
食物繊維とは、私たちの消化酵素では消化吸収できない成分のことをいいます。
消化吸収できないのに、なぜ副栄養素の中に入っているのかというと、人体にいい影響を与えてくれるものだということが近年分かってきたからです。
腸の蠕動運動を促進したり、血液中のコレステロール値を正常に保つ、腸内に溜まった有害物質を排出する、血糖値を正常に保つなど、さまざまな働きをしてくれています。
最近は日本の食生活も欧米化が進み、和食中心ではなくなってきています。
そのため、食物繊維不足になりやすいというのが現状です。
できるだけ意識して摂取することが大事です。
食物繊維が不足すると、便秘や大腸炎、糖尿病や脂質異常症などを引き起こす恐れがあります。
糖質を摂取する時に一緒に摂取することで、肌の黄ばみや糖化を防ぐことが出来ます。
食物繊維は「水溶性食物繊維(すいようせいしょくもつせんい)」「不溶性食物繊維(ふようせいしょくもつせんい)」の、大きく2つに分けられます。
それぞれ役割が違うので、その役割の違いについて詳しく調べてみました。
水溶性食物繊維の役割
水溶性食物繊維は、ペクチン、グルコマンナン、カラギーナン、アルギン酸などの水に溶ける食物繊維のことです。
腸内で分解・発酵すると、酸の発生を促して悪玉菌の増殖を抑え、また善玉菌のエサになって善玉菌を増やしてくれるので、腸内環境を改善する効果があります。
腸内環境は肌にも影響してきますから、腸内環境の改善というのは美肌にはすごく大事なことです。
コレステロールや胆汁酸などを吸着して体外に排出してくれたり、糖質の消化吸収を緩やかにすることで血糖値が急激に上がるのを抑えてくれるという働きもあります。
腸内の水分が多すぎる場合はそれを吸収してくれ、便をちょうどいい硬さにしてくれます。
どんな食品に含まれてるの?
わかめ・ひじきなどの海藻類、ライ麦、山芋、里芋、こんにゃく、納豆、アボカド、ユリ根、オクラ
不溶性食物繊維の役割
不溶性食物繊維は、水に溶けにくい食物繊維のことです。
水分を吸収して膨らむので、腸管を刺激して排便を促してくれます。
人体に有害な物質を便と一緒に排出してくれるので、デトックス効果も期待できます。
ただ、直腸性の便秘の場合、この不溶性の食物繊維を摂りすぎるとガスでお腹が張ってしまったりします。
また、十分に水分を一緒に摂取しなかった場合、水分が足らず便がカチカチになってしまい便秘になることもあるので、水分を一緒に摂取するよう気を付けましょう。
スープにするなどして、たっぷりの水分と一緒に摂れるよう工夫するといいですよ。
ダイエットで食事の量を減らしている場合、便の量が足りなくて便秘になることもあります。
そんな場合は、この不溶性の食物繊維で便のかさを増やすことも大切です。一緒に水分補給するのも忘れずに!
どんな食品に含まれてるの?
大豆、あずき、ひよこ豆、インゲン、おから、ゴボウ、キノコ類、切り干し大根、干し柿、アーモンド、芋類
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の摂取のバランス
食物繊維をバランスよく摂るには、【水溶性:不溶性=1:2】のバランスで摂るのがいいとされています。
また、1日あたり20gは摂取したい食物繊維ですが、現在の食生活では14gにも満たないとされています。
ですので、積極的に摂取しなければなりません。
昔ながらの和食の食生活なら、海藻類、豆類や芋類、玄米ご飯など、バランスよく食物繊維を摂取することが出来ます。
パンを食べる場合でも、全粒粉を使って作られたパンにする、ライ麦パンにするなど工夫してみましょう。
寒天には、不溶性と水溶性の両方の食物繊維が含まれています。
しかも寒天100gあたり、70g以上が食物繊維なんです。
そのうえ寒天100g当たりのカロリーが3kcalほどなので、毎日摂取するのにも向いています。
寒天ゼリーを食後のデザートにするなどしてもいいですし、糸寒天を海藻サラダに混ぜても美味しいです。
スーパーにある海藻サラダ(水で戻すタイプのもの)を買うと、よく糸寒天も一緒に入ってますよ^^
水溶性と不溶性どちらも含んでいる食品
水溶性も不溶性も、どちらの食物繊維も含んでいる食品には、いくつかあります。
・ 寒天
・ ごぼう
・ 納豆
・ オクラ
・ きな粉
・ オーツ麦(オートミール)
オーツ麦というのは、最近日本でもよく食べられているフルーツグラノーラなどに入っている麦のことです。
特に、これらの食品を意識して摂取するというのもいいですね。
美肌のためにも健康のためにも、和食中心の食生活に一時的にでもしてみるというのもいいですよね。
それが無理でもせめて週に2,3度は和食の日を作るようにしてみたり、外食する時は和食のお店に行くようにするなど、できるところから工夫してみましょう。